特別寄稿~沖縄の空の下で~by Yasuyo Tanaka
高江に行くと決めたのは、沖縄の鴨下上人からの参議院選明けの機動隊暴 挙のメール「高江から見える今の日本」を読んだ後だった。彼とは、20 14年のピースウォークで訪米中に「標的の村」を上映した時に知り合っ た。その数ヶ月前に、アメリカ人監督レジス・トランブレイに出会って 「済州島のゴーストたち」を観ていた私にとって、米軍基地の建設に反対 する韓国の済州島のカンジョン村と沖縄県の高江のことは重なりあってい た。同年の10月、JEJU平和祭に参加し、カンジョン村に行って以来、 高江に行きたいと思っていた。 国立キノキュッヘで「高江ー森は泣いている」の上映会で知り合った星埜 美智子さんと那覇で合流し、最初に沖縄の縮図と言われる伊江島へ向かっ た。この島は、東洋一の日本軍の飛行場があったため、米軍に狙われ戦闘 に巻き込まれ、「軍官民共生共死の一体化」により大量の死者がでた。降 伏後、米軍基地建設が始まり、強制移住させられ土地を強奪された島民は 非暴力の抵抗闘争を続けた。沖縄本島を縦断する「乞食行進」が、島ぐる み闘争へと実を結び、オール沖縄の原点となった。全島の63%を占めて いた米軍用地は35%となったが、今も演習場として島民の生活に被害を 与えていることをはじめて知った。反戦平和資料館を建設した阿波根昌鴻 の命こそ宝というメッゼージをフェリーの甲板で手を振る民泊した修学旅 行生達の後ろ姿に思う。島についた時には見えなかった戦争の風景が、青 い海と空に溶け込んでいた。 緑の濃いやんばるの森を望み、座り込みの中心人物である安次嶺現達さん の経営する太平洋を見晴らす「カフェ水母」に寄り、自然を堪能する。海 岸で戯れる母と子の姿を見て、多様な生物が共存するこの土地で、人間も 自然の一部だと思う。この地域は、沖縄本島の水源地で、「県民の水が め」と呼ばれ、北部訓練場には4つのダムが隣接している。沖縄の民意を 無視し、ヘリパッド年内完成を目指す日米政府は、自然を、命の水を破壊 している。 でいご家は、仮設の建物でシャワーとキッチンがあり、男女に分かれたド ミトリーは1泊500円。田丸正幸さんに連絡して、自己申告で泊まるこ とができる。国際的な情報発信地としてアピールできる可能性もある場所 だが、人手不足でオーガナイズが難しそうだ。11月5日土曜日、早朝か らメインゲートの集会に